お話を伺った人: 埼玉県嵐山町
福祉課 課長 前田 宗利 様
保育士スカウトを使ったきっかけは?
前田さん:町(公立)での採用なので、年度内で一定数以上の保育専門職員が必要です。昨年度末までにあと1名採用する必要があり、非常に切迫した状況だったのです。これまで町の広報誌やハローワークを利用していましたが、保育という専門分野の人材確保には苦戦していました。無資格の方や、リタイヤ後の方からしか応募が来なかったりと、望んだ条件の方とのご縁がなかったんですよね。それでも「無料だから」という理由で続けていましたが、勤務条件の合う方を迫られた期間内に採用しなければならない状況から保育士スカウトの利用を決断しました。数年前にもアスカさんとの取引実績があったので、安心して利用することができましたよ。
利用開始から採用までのフローはスムーズでしたか?
前田さん:私たち町役場は、1人や1部署だけの判断で採用活動をすることはできません。予算組みや就業施設との連携など、課の枠を超えた協働が必要です。「専門資格を持った人材を採用するためにはある程度のコストをかけなければいけない」という理解や熱量をいかに役場全体に浸透させられるかが重要でした。その点、無料媒体だけでの採用には全体が限界を感じていたため、スムーズに話を進めることができたのではないかと感じています。各所の判断も今回はスピーディーでしたね。ただこういったツールの利用が初めてだったので、掲載内容に関しては担当の清水さんにアドバイスをいただきながら何度か修正を行いました。
紙とweb媒体での採用活動で大きな違いは?
前田さん:予算や工数が大幅に違うということはありません。異なるのは求人の「見せ方」です。長年の経験から、私たちは役場特有の硬い表現に偏りがちです。65歳以上の方からの応募が多い背景にはこういった理由もあったのでしょうね。清水さんから、若い求職者向けの柔らかいトーンやワードを助言いただき少しずつ改善していきました。加え、紙とwebでは露出量が圧倒的に違います。紙媒体はそれを目にした人にしか情報が届きませんが、webでは1つの検索ワードがいくつものページを提示してくれます。今はindeedなどの総合サイトもありますから、私たちの求人を見てもらえるルートが増えましたね。その点でも掲載内容を充実させることはやはり大事です。
保育士スカウト登録者の反応はいかがでしたか?
前田さん:利用当初、高時給で出していたにも関わらず応募数が芳しくなかったのです。その時にふと、「高時給=負担の大きい仕事」と懸念されているのではないかと感じたのです。今回は小学生が対象の支援業務ということもあり、初めての方にとってはイメージもつかず不安だったのでしょうね。かつ、当初の「常勤」というワードも「パート」「希望シフト可」などへ変更し、施設の様子が分かる写真も入れました。そうしてやっと応募が来るようになったのです。事実、応募者の方は時給が目当てではなく、子育て中やブランク明けでも働ける気軽さの方が大事だったのです。求人は出して終わりではなく、求職者からのレスポンスを見ながら都度内容を検討していくことが大事なのだと気づかされました。
今後、保育士スカウトへの要望や期待は?
前田さん:保育士スカウトを、採用ツールとしてだけでなく集団説明会や相談会の窓口として使えたら嬉しいです。いきなり「応募」となるのではなく、まずは「話を聞いてみる」といったワンクッションがあればよりハードルが下がると思います。ただ、その仕組みや応募フォームを一から作ることは、時間的・ノウハウ的にも私たちには難しいのです。保育士スカウトをそういった形で利用できたら採用活動の幅も広がるように思いますね。今後もオンラインの普及は続くでしょうし、より若い方に馴染みのある機能を取り入れていただきたいです。あとは、郊外への引越しやUターン検討者にもスカウトを送りたいので、そのきっかけとなる情報を知ることができたらなお嬉しいですね。
取材協力
嵐山町子ども家庭支援センター b&gらんざん
【施設概要】https://www.town.ranzan.saitama.jp/0000005689.html
嵐山町子ども家庭支援センターは、平成31年4月にオープンし、子どもとその家庭を地域で支えていく拠点として、「子どもたちが、安全な環境の中で、安心した時間が過ごせる。その中で、子どもたちの自律と自立する力を身につけることや、子育てに悩める保護者に寄り添いその支援をする」という目的で設置されました。
(インタビュアー:株式会社アスカ今野、清水)